日本人の食卓に欠かせない調味料、醤油。そのルーツは、中国の「醤(ジャン=ひしお)」といわれています。食べ物が保存の過程で発酵し、タンパク質が旨味成分に変化することを知った先人たちは、食べ物を糀や塩で発酵させ醤を作ったのです。その醤の一つが、秋田県の「しょっつる」や石川県の「いしる」、タイの「ナムプラー」などに代表される、魚介類を発酵させた「魚醤」です。魚の内臓や身に含まれている酵素で分解された魚自身のタンパク質が、グルタミン酸などのアミノ酸やペプチドといった旨味成分へと変化し、少し使うだけでぐっと旨味を増す調味料となるのです。
石狩に建つ魚醤熟成・発酵センター
佐藤水産の魚醤は、あの特有の臭いがありません。東京農業大学名誉教授で農学博士、発酵学の第一人者である小泉武夫先生ご指導の下、微生物の力を借りて臭いの原因となる魚の脂を分解しているからです。使うのは新鮮な北海道産天然鮭の内臓と白子、塩と糀。石狩にある佐藤水産の魚醤蔵で仕込み、熟練の職人が一つひとつのコンディションを常にチェックしながら、4ヵ月間じっくり本物のおいしさを醸し出しました。その鮭醤油を干物に漬け込むことでコクが加わっております。