スローフード物語 vol.11

「飯寿司 冬の蔵」

飯寿司 冬の蔵イメージ

年の暮れになると食べたくなるのが、まろやかな酸味と甘味が心地いい、飯寿司。
古くから伝承されてきた正真正銘の自然食品です。

酸味とうま味、ほど良いバランスの飯寿司

「今日はしばれるねぇ」キュッキュッと足元の雪が鳴るような「寒い」じゃもの足りない日に、道産子たちはこんな挨拶を交わします。北国で食べられている「飯寿司」は、このしばれるほどの気温が旨さの秘密です。
飯寿司とは、ご飯と魚・野菜・麹を混ぜて、重石をのせて漬け込み、乳酸発酵させて作る主に北国ならではの郷土料理です。魚は、ハタハタ、鮭、にしん、ホッケなどで、キャベツ、大根、ニンジンなどの野菜と一緒に仕込みます。近江の「ふなずし」、若狭の「鯖なれずし」、金沢の「かぶらずし」などとよく似た、乳酸発酵させて作るなれずしの一種です。ほかのなれずしに比べると、ほほどよい酸味と魚、野菜のうま味が凝縮し、まろやかな味に仕上がります。

郷愁をそそる、冬の風物詩。浜それぞれの製法がある

昔は9月の秋鮭漁が終わり、秋野菜の収穫期になると、各家庭では漬け物用野菜をせっせと天日に干して、かぶら漬やたくあん漬、にしん漬などをこしらえていました。 そうして、初雪の降るころには、にしんやホッケ、サケの飯寿司をつくる光景が浜にほど近い軒先でよく見られたものです。また、製法もそれぞれの浜で違うのも飯寿司ならではのものです。
当時の主婦にとっては、来るべき冬の保存食をつくる忙しい季節にほかならないのですが、どちらも北国ならではの冬の風物詩として、味わい深い景色でした。

時間をかけて、寒風で漬け込む

イメージ日高山脈にうっすらと初雪が降り積もる11月、佐藤水産の石狩工場でも飯寿司の「仕込み」が、いよいよはじまります。
飯寿司用の銀毛のあきあじと野菜、そして炊きたてのご飯と糀を、手作業で幾層にも重ね、最後に生妾で全体の味を引き締める、石狩独自の製法で漬け込んでいきます。今でこそ魚をご飯で漬け込むこと自体、手間のかかる話ですが、これこそ寿司の原形。互いの力で時間をかけてかもしだす旨さを楽しむ、いにしえからの知恵の結晶です。
ぎっしり漬け込んだ樽に重石をのせ、海から吹き付ける寒風で急激に気温が下がるこの期間に、およそ1カ月以上かけて熟成のときをじっくりと待ちます。

手間をかけるほど、味は生きる

イメージ発酵は酵母の生命活動そのもの。自然のおいしさのみなもとです。ですから、当社の飯寿司は昔ながらの自然発酵を省略することなく、ひとつひとつ、ていねいにつくり上げていきます。
そのため、飯寿司づくりにかける職人たちは、熟成の期間中、樽からかたときも目を離すことはありません。天候や日々の温度変化に気を配り、できるだけ一定の温度を保つための環境を整えるほか、「かぶれ」と呼ばれる白濁した上澄みの状態や量を確かめ、順調に発酵しているかどうかを職人は五感をつかって見極めます。
糀の発酵が進むごとに重石の重量を増して、原料の水分を抜く。この作業を繰り返し、約40日間で7~8回ほど行われ、熟成前の半分ほどの厚さになったころようやく納得の味が出来上がります。
こうして手間ひまをかけてつくられる飯寿司には、寒い冬でもあたたかな、自然の味わいがあります。

美味しい飯寿司をお探しの方へ

【冬季限定販売】佐藤水産では、自然発酵を省略せず、北海道・石狩の寒気で、 昔ながらの伝統製法で作っております。その年の気温、魚の漁獲模様により毎年、販売開始の時期が異なります。

秋乃鮭飯寿司

石狩に伝わるの昔ながらの製法で、北海道沿岸で獲れた秋鮭(白鮭)を使用しております。

紅鮭飯寿司

上品な脂がのった紅鮭を一枚一枚丁寧に切って塩を施し、野菜やご飯と糀を加えて幾重にも重ね仕込みました。

きんき飯寿司

オホーツク海域で水揚げされた希少なきんきを使用した、北海道の伝統料理「飯寿司」です。

ほっけ飯寿司

北海道沿岸で獲れたホッケを使用しております。身厚なホッケで食べ応え十分と人気の飯寿司です。

にしん飯寿司

石狩湾産の脂がのった肉厚の鰊を漬け込みました。まろやかな酸味と甘みが特徴です。

はたはた飯寿司

日本海で冬の時期にしか獲れない貴重な鰰を使用し、骨まで食べられるまで美味しく仕込みました。

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佐藤水産
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