スローフード物語 vol.5

「石狩味」

石狩味イメージ

松前藩から梁川藩へ。スローフードに秘めた郷里の逸話。
故郷の従兄弟のひと言が、郷里の逸話を思い出させた。ロングセラー「石狩味」の誕生秘話。

戦国時代から蝦夷地を支配した松前藩

応仁の乱、文明の乱以降長く続いた戦国時代、蝦夷地の南部を支配していたのが武田信廣という人物です。
その後、拠点を大館(のちの松前)に移し、蠣崎氏と改め5代目蠣崎慶廣のとき、豊臣秀吉が小田原の北条氏を滅ぼし、奥州検地を行っていた前田利家らと津軽で会談し、京都の聚楽第で秀吉から従五位下民部大輔に任じられました。
秀吉死後、徳川家康の旧姓松平と前田利家の一字を取って「松前」と性を改めたとされ、家康から蝦夷地支配を許される黒印状を賜り、幕藩体制の一藩に組み込まれました。
しかし、松前藩が本州の藩と異なるところは、蝦夷地で米が取れなかったことです。そのため、水産物などを本州との商業交易という形態で行われるようになりました。
この交易権を上級家臣に与え、一年に一回、商船を仕立て現地でアイヌの人たちと現物交換を行い、それを商人に売るという「商い場制度」がとられていました。

「商い場制度」から「場所請負制度」へ

やがて江戸中期になると、商い場所を一定し、契約金額で商人に請け負わせる「場所請負制度」へと変化していきました。商人の経営によってニシン、鮭、昆布などの海産物が京都方面に運ばれ、蝦夷地の交易品は全国へも知られ始めました。
18世紀半ばになると、ロシアが千島を南下し、日本との通商を求めるようになりました。この時、松前藩はロシアの存在を無視し、秘密にしました。南下を知った幕府は、寛政11年(1799年)藩主松前章廣から蝦夷地の大半を没収しました。

蝦夷地召し上げ 陸奥梁川に九千石で移封

さらに文化4年(1807年)藩主松前道廣を陸奥国伊達郡梁川(やながわ)(現在の福島県伊達郡梁川町)に九千石の小名に降格させ、移封してしまいました。
文政4年(1821年)に、幕府の政策転換により、松前藩はふたたび蝦夷地の支配を許されることとなり、これと同時に松前藩は、北方警備の役を与えられました。
こうして蝦夷地召し上げから14年の長きにわたる苦難の日々が終わりを迎えました。

藩主思いの調理人の知恵

イメージところでこの松前藩主の梁川移封には、藩主を思う家臣と調理人の次のような逸話が秘められています。
梁川に移され幽閉の身となった失意の藩主をなんとかお慰めようと、家臣たちは藩主の大好物の「石狩の鮭」を送ろうとしましたが、遠国のため生身では送れません。そこで随行した調理人が生鮭の味を一年中食べられるようにと考案したのが、当時、阿武隈川で獲られていた鮭と梁川の糀でつくった「鮭の糀漬」です。鮭の糀漬で元気をとり戻した道廣公は、やがて幽閉を解かれ、松前藩に無事帰還することができました。藩主が梁川藩で食べた鮭の糀漬は、その後「紅葉漬」の名で受け継がれ、福島県の名産品になりました。

旧幕府軍によって落城

幕末の嘉永2年(1849年)、幕府は海からの攻撃に備えるため、松前藩に築城を命じました。当時は、築城を禁じておりましたので、極めて異例なことといえるでしょう。藩主の松前崇廣は6年がかりで福山館の改修を重ね、松前城が完成しました。
嘉永7年(1854年)、伊豆の下田とともに函館も開港し、蝦夷地は再び幕府が直轄することとなりました。
明治元年(1868年)、榎本武揚、土方歳三率いる旧徳川幕府軍によって松前城は落城。幕命で築かれた松前城が、旧幕府軍によって落城するというのは、歴史の皮肉といわざるを得ません。

梁川の鮭の糀漬は「石狩味」の名で受け継がれた

イメージ弊社の創業者故佐藤三男は、福島県の出身。柔道家と中学教員の資格を捨て、昭和23年(1948年)に石狩で商いを始めました。
日頃から鮭の本場、北海道を代表する名産品を作りたい。そんな折り、福島県に住む従兄弟に「福島には『紅葉漬』というものがあるが、北海道にもあるか」と問われました。
それから5年の歳月をかけ、失敗と改良を繰り返しながら完成したのが『石狩味』です。
当時としては高額な投資をして失敗し、それでも懲りずにチャレンジする佐藤三男を見て、古参社員は「マルダイのおやじの執念は並みの商人とは違う」と噂したそうです。
「石狩味」は、半世紀に及ぶ北海道のロングセラーな名産品として、また弊社のものづくりの精神とともに受け継がれています。

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